拡がりのある空間の体験

 [小さな居場所]や[生活やくつろぎの雰囲気]、[「基地」空間],[集中して遊べる空間]などでは、おおむね小さい空間や場所が、こどもたちの安心感や集中力を高めるとご紹介しています。

 一方で、こどもたちは大きい空間、(水平方向への)拡がりのある空間に身を置くと、思わず歩いたり、走ってみたくなったり、大きな声を出したくなったりなど、自然に「発散」のモードになります。こどもたちにとっては、集中と発散の機会がともにあることが、心身のバランスの良い発達を促します。入院中の、不安や閉塞感などでふさぎ込みがちな心と身体が解放される環境があることはとても大切でしょう。

 今日では、園舎内や、敷地内に拡がりのある空間がない園もあります。園舎内に充分な広さのホールがあればもちろん良いですが、こどもたちが思いっきり「発散」のモードになるためには、必ずしも園舎内である必要はありませんので、園庭や公園などの外部空間を体験させたいものです。

 写真は、ある病院の屋上庭園を上から見下ろしたところです。季節の花で彩られており、車いすでもスムーズに通れる仕上げになっています。小さな散歩道もあり、ちょっとした探検気分での散策もできる庭です。

 病棟から出て、外の空気を吸えることが、こどもや付添家族だけでなく、スタッフの気分転換の機会にもなっています。

 こちらは、あるこども病院の1階の、院内図書館から見える芝生の庭です。図書館からテラスがつながっており、その向こうに庭が続いています。庭の周囲にはアーケードがかかった散策路が設けられていて、庭に落ち着きを与えるとともに、車いすなどでの散歩道になっています。症状などで外に出ることができなくても、このような場所が設けられていて、目に見えることで閉塞感が和らいでいます。

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