俯瞰(ふかん)する体験

 俯瞰する(見下ろす)体験は、空間を認識する能力の発達につながります。地上レベルで見えているものや風景と、それらを上から見下ろしたときに感じられる互いの位置関係や、それぞれの場所の大きさなどはずいぶん感覚が違うものです。そのような体験は、空間を立体視することができるようになると同時に、ものごとには相対的な関係があること、それらを第三の視点から眺めることができることを身体感覚として理解することにつながっていきます([立体的な空間の体験]も参照してください)。

 地上レベルの視点が相対的な位置関係、それらを俯瞰する視点が第三の視点(ものごとを客観的に外側から眺める視点)です。この感覚は、たとえばスケジュール感覚(フィニッシュに向かって、いつまでに、なにを、どのようなペースで進めればよいか)や、論理的にものごとを説明する能力(Aで、Bで、CだからDであるといったロジックを組み立てる能力)、地図や図面を読み、書くことができる能力(広さや距離を俯瞰的に捉えられる能力)、などにつながっていく可能性のあるものです。客観的にものごとを見て、判断する感覚や能力は、治療のスケジュールやその必要性などの認識、そのためになにをしなければいけないかについての理解などにも通じるものでしょう。

 6階の高さにある病棟のプレイルームの窓から、外を見下ろしています

 見下ろす視点場があることは、優越感や開放感、自信にもつながります。このような視点場の意味や意義に立って、視点場を設定したり、こどもへの声かけを行う環境などが望ましいでしょう。

関連するキーワード

トップページへ戻る