午睡や休憩での配慮

 午睡や休憩は、療養ばかりでなくこどもの心身の適切な発達や、生活リズムを整えて心身の健やかな状態を保つことにつながります。もちろんこうした状態が、情緒の安定にとっても大切になるでしょう。

 また時間の決まった午睡や休憩のほかに、また病室のベッドだけではなく、起きて、周りの様子を楽しみながら自分は休息していられる状況など、こども個々人の状況に応じてちょっとした休憩がいつでもできることも大切でしょう。

 こちらは保育施設の事例ですが、保育室の一角に、マットがいつも置かれています。くつろいだり、ごろごろしたり、気持ちを落ち着ける場所にもなっています。

 こちらでは、座りやすいソファのスペースが設けられています。家庭と同じように、くつろいで過ごすことができます。上の例でも同様ですが、園に、ファブリック(布製品)などを活用した、やわらかい・あたたかい場があることは、家庭的な雰囲気の演出や、こどもがゆったりと過ごせる場所の提供といった観点から、とても有効です([生活やくつろぎの雰囲気],[「触」覚のある環境])。

 「休憩」をもう少し広い意味でとらえてみると、静かに過ごすということでもあります。絵本を読んだり、お話をする、折り紙などの工作等静的遊びの時間としたりなど身体を休めながらゆっくり過ごすなどの場面を「目に見える空間」として設けている場合もあります。

 こちらの園では、静かに過ごす場所を「室」として設けています。「クワイエット・ルーム」などと呼ばれます。より積極的な意味で、心を落ち着けるための場所という意味では、「カームダウン・ルーム/スペース」などと呼ばれる、小さい、落ち着ける場所を設けることもあります。しばしば、寒色系(青や緑色など)の色調を用いて、照度を落とし、絨毯やクッションなどの柔らかい素材を採用したインテリアとします。

 こちらも小さな室で、静かに過ごすための部屋です。ラジカセが置かれ、リラックスできる音楽をかけたりして、場の演出を図ります。

 休憩の場は、こどもだけでなく付添の家族や見舞客にとっても、心に余裕をもってこどもと接することができる心理状態をつくる、あるいはお互いの関係の構築を図り、相談事などをする場として、大切です。

 こども病院や小児病棟などは、こどもたちの療養の場だというだけではなく、付添家族にとってはこどもの療養を二人三脚で支えていく生活や支援の場でもあります。家族もまた、こどもと同様に大切な存在として配慮されていることが、環境づくりを通して伝えられ、共有されることはとても重要なことでしょう。

 畳の小さなスペースで、こどもと付添家族が一緒に遊んでいます。家族は横になって、身体を休めてくつろぎながらこどもに寄り添っています。

 付添で見えたこどもの祖父が、病室から離れてプレイルームの一角に置かれた「大人のサイズのソファ」でくつろいでいます。大人のサイズの家具があることが、家らしさの演出につながっていますし、ここがこどもだけではなくこどもを支える大人のための空間でもあることを視覚的に伝えています。

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