家族同士の関係をつくる仕掛け

 家族同士の関係ができることで、療養生活やその後の生活、家族関係などの不安や負担感を和らげたり、あらかじめ治療の内容や過程の情報を得ておくことで安心感を得られるといった、家族の支え合いの関係がつくられていきます。多床室の場合にはお互いのこどもをちょっと見ていてもらって、その間に買い物などの用足しをしてくるといった関係ができることもしばしば聞かれます。

 こどもとだけ向き合って、話をしている状況が続くと、家族のストレスも募りますし、他者との交流は気分転換やストレス解消の方法にもなります(もちろん、症状や性格などによっては、ほかの人と関わることがストレスになることもありますので、他者との距離を選択的に調節できることが大切です)。

 こどもにとっても、自分の家族とともに他の大人と関わることは、他者との関わりの態度や豊かな言葉が育つ契機となるでしょうし、大人同士が良好な関係を築いている環境は情緒の安定にもつながるでしょう。

 入院しているこどものきょうだい同士が一緒に遊んだり、話したりすることができるロビーを設けている例もあります([地域との連携])。きょうだい同士の関係をきっかけに、家族同士が親しくなることもあるでしょう。また、きょうだいにも相当の心理的・物理的な負担が生じている場合もままありますが、このような仕掛けがきょうだいの負担感を少しでも軽くするなどといった効果も期待したいものです。

 [家族とつくる環境]や[家族と家族の活動の支援]も、家族同士の関係をつくるきっかけになります。日常的には、家族同士がお互いを「知る」ことが、関係づくりの第一歩となります。例えば、[交流の拡がりを誘う空間]や[集団活動の機会]など、家族とこどもが一緒に居合わせる場面や、食事をともにするなどの日常的なふれあいが、他のこどもやその家族の顔や名前を知るきっかけとなり、会話などの関わりにつながっていきます。

 プレイルームや共用空間などに、こどもだけでなく家族がたまれる空間があると、こどもがいないときにもちょっとした関わりが生まれるきっかけになります。プレイルームでの遊びには、こどもが遊ぶということだけでなく、こどもたちが遊んでいる様子を一緒に見守りながら、大人たちが知り合い交流する契機という意味もあるという観点から、大人の滞在場所を一緒に計画したいものです。

 また、家族とこどもが一緒に楽しむイベントなどがあることも、家族同士の関係をつくります。

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