気持ちの切り替え空間

 治療に向かうこども達が、治療への不安感や恐怖心から気持ちの切り替えがうまくいかずに機嫌が悪くなってしまうシーンはみられます。病棟など療養環境へのなじみやすさは、[生活やくつろぎの雰囲気]や[集団活動の機会]などによる人間関係の構築などによってサポートできますが、日々の気持ちの切り替えにさらに配慮があると、こどもたちの前向きな気持ちを引き出すことができます。

(埼玉病院)

 写真はある小児病棟のプレイルームですが、この小児病棟では、治療の前後にプレイルームでの遊びの時間をとっています。「プレイルームで遊んでから、治療に行こう」と、病室からのワンクッションを設け、治療中には「がんばったら、またプレイルームで遊ぼうね」などの声かけをする、というように、環境を利用して心理的なクッションや目標を設けることで、こどもたちが自発的に治療に向かうことを支援しています。

 検査室や処置室に向かうスペースの演出なども、[アプローチの期待感]とも関連して、気持ちの切り替えのための設えといえます。このような切り替えの空間がもてない場合でも、シーンが変わる場面では、ちょっとしたベンチや窓(「赤い車が三台来たら、治療に行こうか」などの自発的な切り替えづくりの素材にできます)のひとつなど、ほんの少しでもこどもがひとりまたは保護者や保育者と一緒に、などの小人数で気持ちの切り替えをできる場所をとれないでしょうか。

 自分で自分の気持ちを整理できる場所があることは、こどもの心を落ち着かせてくれます。怖いことは怖い、辛いことは辛いと感じることをそのまま認めることは、感性を尊重することでもあります。

 また、もやもやした気持ちがあるときにはそのもやもやと自分自身が向かい合っていくことで、自分の気持ちを自分自身がきちんと把握する力や、ストレスへの耐性を高めていけるでしょう。

 「怖くないよ」といった、こどもの率直な気持ちを否定する声かけよりも、「そうだね、怖いね。でもこの治療をすると、身体が元気になって、お友達やお母さん、お父さんといっぱい遊べるね。あの壁の象さんは、触ると怖い気持ちを吸い取ってくれるこどもの神様なんだよ・・」などの、こどもの気持ちを受け止めつつ、不安やストレスを軽減していく環境づくりはいかがでしょうか。

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