治療・検査時の心的負担の軽減

 処置室での様々な処置や検体採取などは,こどもにとって負担であることが多く,処置室を嫌って処置室に入るだけで不安になったり,暴れたりして治療に生じるばかりか患児本人と医療スタッフにとっても危険が及ぶ場合もあります。

 このため,多くの処置室では処置室の壁や天井,機材などに,こどもの不安や緊張を和らげる工夫をしています。このような工夫は,こどもの負担を減じるだけではなく,スタッフにとっても物理的に治療を行いやすくなるメリットがあります。また,こどもとスタッフの関係づくりにも貢献します。

(富山大学附属病院)

 この病棟では,病棟のデザイン全体を「病気や怪我をした動物たちが,森の中央にあるお医者さんの木に集まって,元気になる」というストーリーに沿って構築しており,処置室はその中心に位置づけられています。廊下には,病室から続く動物の足跡が描かれていますが,その足跡はこの処置室に集まっています。こどもと一緒に,「犬さんの足跡を辿って,一緒に病気を治しに行こうね」といった声かけができる仕掛けです([物語が編み込まれた環境])。

 処置室に入ると,壁や天井に四季をイメージした穏やかなイラストが描かれており,こどもの治療への恐怖心を和らげています。

 この写真の処置室には,かわいらしい壁紙が貼られ,動物探しの絵が飾ってあります。こどもの恐怖心を和らげるとともに,「この写真には,何の動物がいる?」「うーん、キリン」のように,こどもと病棟スタッフがコミュニケーションを取るきっかけにもなっています。

(東京女子医科大学東医療センター)

 検査用の機器に工夫がされている例です。キリンをモチーフにしたイラストが描かれています(シール貼付)。MRI機器にイラストが施されているケースなどもあります。「キリンさんの機械に会いに行こうね」など、こどもと対象物を共有できることで、こどもの主体性を引き出すことができます。

 こちらは、医療スタッフが着けるマスクに恐怖心を覚えてしまうこどももいることから、ある医療機関で開発した、動物の顔パーツが付けられたマスクです。このマスクを着けると愛嬌のある容貌になりますので、こどもや家族とスタッフとの関係構築や、こどもの恐怖心の低減などに役立ちます。

 なによりも、「こどもの目線に立っています」ということを、言葉を使わなくても伝えられることはとても大切なことでしょう。

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