全身で感じる遊び

 発達になんらかの障碍をもつこどものなかで,特に自閉傾向をもつ児には,触覚などの感覚が過敏なため,触れる・触れられるなどの刺激を好まないため,器質的な欠陥はないのに運動能力が育たない,といった課題のある児がいます。その療育に際して,触れる・触れられる感覚を遊び≒快の感情と結びつけて学習し,身体感覚を得て運動に結びつけていく感覚運動療法が採り入れられることがあります。この療法では例えばボールプール,トランポリン,ハンモック,ブランコなどが使われます。建築空間にはあらかじめ,天井を高くする,梁に吊り金具をつけ攞得るよう計画する,などの工夫が求められます。

 ボールプールは,病棟での導入事例もしばしば拝見します。こどもが全身で感じられる遊びのひとつです。写真は,車の形の空間の中で,ボールをいっぱいにして遊んでいる場面です。

 小さなこどもでも,新聞紙や広告などの紙を「やぶる」感覚を好みます。これは指先の動作の強化などの目的でも保育に採り入れられ,新聞紙をたくさんやぶって新聞紙のプールや雨をつくるなどの活動も多くの園でみられます。

 これは,身体全体で,触覚刺激を受ける:感じる遊びとしても挙げられる例です。

 保育施設での新聞紙あそびの場面です。

(あけぼの幼稚園)

 この写真も保育施設での場面ですが,園庭のハンモックで2人のこどもがのんびり揺られている場面です。ブランコやハンモックは,身体を支える部分と,(相対的な)空気の動きを身体全体で感られる遊具です。点滴コードの問題などがあり動きのある遊具の導入には難しいことがあります。ですが,そうであればこそ病棟の「環境」に欠けている体験であるとも,言えるかも知れません。

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