日常的に美に触れる

 こどもたちの発想は無限と言われますが、同時にこどもたちの感性や想像力は、身の回りの環境によってつくられていく部分も多分にあります。アニメやマンガ、テーマパークなどのキャラクターはこどもたちにとってなじみやすいデザインがされており、親しみをおぼえやすいものです。デフォルメされた動物や植物は記号として認知しやすく、覚えやすい特性をもっています。しかし、感性や想像力がつくられる幼少期だからこそ、本当に美しいものに日常的に触れられる機会を用意したいものです。「美しいもの」は、絵画や造形物、あるいは自然のすがたや、光や音、風、それらのうつろいゆく様子、衣類の色から道ばたの小石に至るまで、本来はごく当たり前にこどもたちの生活を彩っているものたちです。

 こどもたちが日常生活のなかの美に気づけるよう、物理的な環境をつくるとともに、保育者や保護者が声かけをしたり、一緒に時間を味わう機会をもったりしたいものです。

 光や風、自然をモチーフにした造形物、自然の要素などの美しいものをとり入れていくことで、自然への親しみや、自然の美に気づくこともできるでしょう。

 保育施設の事例です。この園では、こどもたちの目線の高さに、穏やかな色調で描かれた絵を飾っています。木質調の内装とあいまって、穏やかで家庭的な雰囲気を作り出しています。

 こちらも保育施設の事例で、主に絵を描いたり制作をしたりする部屋の様子です。壁にはさまざまな形の窓が穿たれ、そこには色とりどりのステンドグラスが納められています。また木製の棚が壁に取り付けられ、そこには自然素材を使った美しい造形物や絵画、植物が飾られています。制作に向かう心をわくわくとさせてくれるような、「美しいもの」にあふれた部屋ですが、それぞれの主張は決して強くはなく、全体には落ち着いた雰囲気が漂っています。

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