自国の文化を知り、親しむ

 自国の文化を知り、親しむことは母国やその歴史への愛着を育み、自己肯定感や国や郷土を愛する気持ちを育てます。それは、アイデンティティの一部として自国を客観的に語る視点や能力に結びついていきます。このような視点は、国際化の進む今日であればこそ必要とされる姿勢や能力のひとつと言えます。外国の方に母国の文化について問われたときに、文化史や伝統文化、メンタリティなどを語れることは、外国の方との適切な関係づくりや互いの文化を理解し尊重する上でとても大切です。病院などの、限られた期間を過ごす場所であるとはいえ、文化に根ざした環境であることは、なじみ安さの観点からも大きな役割を果たすでしょう([生活やくつろぎの雰囲気])。

 このプレイルームには、小上がりに畳が敷かれています。畳があると自然にくつを脱いで過ごします。くつを脱ぎます、などの表示は不要です。肌触りも良く、しっとりとした温かさがあってこどもたちにとって居心地の良い場所になっています。畳の色彩に合わせて、ソファカバーやキッチンコーナーカーテンの色がコーディネイトされています。和の雰囲気をとりいれた空間の、何ともいえずしっくりくる落ち着きは、ご家族にとってもほっとできる環境づくりに役立っています。

 奥にはいま、おひな様が飾ってあります。季節が変われば5月人形、笹飾り・・と設えも変わっていきます。

 写真は、和風の飾り物がホールにさりげなくかけられている様子です。廊下などに掛けられた画やちょっとした小物などでも、伝統文化を伝えたり、それを大切にする姿勢を養うことはできるでしょう。

 内部の空間だけではなく、お庭や屋上庭園、アプローチ路などちょっと見える場所や、散歩に出られる場所などに、坪庭や日本風の庭園の一角をつくるなども、伝統文化を知り、親しむきっかけになります。

 写真は保育施設の例ですが、玄関ホールの窓の外に、小さな坪庭をつくってそこを和の空間としています。この園には地域柄、多国籍のこどもたちが通園しているのですが、そうしたこどもたちのご家庭にも協力いただいてそれぞれの国の文化を紹介していただくと同時に日本の文化や精神性を伝えることで、互いの文化への理解や敬意の醸成を促しています。

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