「不思議」、科学の目の芽生え

 大人が当たり前と感じることが、こどもたちの目には「不思議」に映ることがあります。それはある種の新鮮な感動です。雨上がりに空に虹が架かること、夕日がオレンジ色に輝くこと、夜に室内から窓を眺めると鏡のように自分の顔が映ること、濡れた道路は黒っぽいのに乾くと白っぽくなること、海にはいろいろな色があること、冬には日暮れが早くなること。大人の目からも不思議に思えることもあるでしょう。

 こうした「不思議」を感じることやそれを他者と共有することはこどもたちの感性を育て、そこに物語を見いだす想像力を育みます。レイチェル・カーソンはこの、世界の不思議を感じられる感性を「センス・オブ・ワンダー」と呼び、これはこどもの時期にこそ特に伸ばせる感覚であるとともに、世界を楽しみ豊かな人生を送るための土壌となると述べています。

 さらに、なぜそのような現象が起こるのかを考えることは、科学的な思考や知識の土壌になります。たくさんの不思議を感じ、その理由を考える習慣があるこどもにとっては、日々の生活そのものが理科の学習機会になっていると言えるでしょう。こどもたちが見つける「不思議」に共感し、年齢に応じて適切な物語や現象の理由を伝えることはこどもたちの知と心を育てます。また、大人の目から「これは不思議だね?」と語りかけて気づきを助けることも大切なサポートでしょう。

 手を使い、身体の動きと心の動きを重ね合わせる中で、さまざまな不思議を感じ、体験する。大人が一緒にその驚きや感動を促したり、言葉に置き換えたりする関わりを通して、その体験は強化されていく。

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